日本で偉業に並ぶ決意を示した。ドイツでのW杯で通算49勝目を挙げ、男女を通じて歴代最多のシュリーレンツァウアーにあと4勝に迫ったノルディックスキー・ジャンプW杯女子日本代表の高梨沙羅(20=クラレ)が10日、羽田空港着の航空機で帰国した。

 14、15日の札幌と20、21日の蔵王(山形)での4連戦に全勝すれば、シュリーレンツァウアーの通算53勝に到達することができる。テレビカメラ8台、報道陣約50人の前で、「やはりずっと育ててもらった日本で達成できるのが1番。ぜひそうなればいい」と決意を語った。今季6戦5勝で総合首位と好調を維持しており「見ていて楽しいジャンプにしたい。ビッグジャンプを目指したい」と話した。シュリーレンツァウアーは「憧れの存在。比べてもらえてありがたい」という。ただ性別の違いもあり、53勝は「意識する数字ではない」。自然体で挑んだ先に、偉大な記録に到達する。

 今年、新成人となった。成人式は遠征で出席できなかったが、ドイツの空港でチームメートからソーセージやプレッツェル(ドイツ発祥の焼き菓子)を食べながら、祝福を受けたという。「まだまだ大人の実感が湧かない。学ばなければいけないことがたくさんある」と笑顔で語った。