男子に続け!! 2月のグランドスラム・パリ大会など欧州国際大会に向けた柔道女子日本代表の強化合宿が14日、都内で行われ、増地克之監督(46)が練習にレスリングを取り入れることを明かした。

 「レスリングから『最後まで諦めない姿勢』を学びたい。コーチ陣にも教えてもらい、柔道に必要なことをどんどん取り入れていきたい」。増地監督はこう説明した。時期は今年4月で3日間を予定している。指導者は調整中だが、リオデジャネイロ五輪の金メダリストが指導する可能性もある。

 男子代表では井上康生監督(38)のもと、これまで沖縄相撲や柔術、レスリングなどの異色トレーニングを取り入れてきた。背景には日本柔道の枠にとらわれない「世界の柔道」を意識した思惑がある。ロシアがサンボなどの自国発祥の格闘技を取り入れた「複合柔道」で結果を出し、それらの変化に対応する策だ。そのかいもあり、リオデジャネイロ五輪では全7階級でメダルを獲得した。

 この日の練習では昨年12月に発表された新ルールに対応するための組み手などを確認。組み手の罰則が緩和され、攻撃姿勢であれば変則の組み手でも指導が与えられないため、相手の反対側の肩や腕越しに背中をつかむクロスグリップなどの練習を行った。リオ五輪女子78キロ超級銅メダルの山部佳苗(26)は「外国人の偽装攻撃みたいな組み手を審判がどうとらえるのか」と懸念し「私はしっかり持って一本を取る柔道を目指している」と話した。

 増地監督は今年のテーマを色紙に「不動心」と記した。「ルールが変わってもやるべきことは変わらない。目の前の試合に向けて準備するだけ」と前を向いた。