ヤマハ発動機は2位で今季リーグを終えた。逆転優勝の望みを懸けてトヨタ自動車に27-8。勝ち点67まで伸ばすも、首位のサントリーが神戸製鋼に勝利したため、悲願のリーグ初Vには届かなかった。だが、清宮克幸監督(49)と選手は、日本選手権(21日、大阪・花園ラグビー場で開幕)に気持ちを切り替えている。初戦ではパナソニックと対する。

 ヤマハ発動機は、相手以上に雪と風に苦戦した。どちらも前半15分過ぎから強くなり、風下の状態でのキックは何度も押し戻された。前半は13-8。一転、風上の後半は、トヨタ自動車のミスに乗じての2トライで突き放した。清宮監督は「今日は守りが良く、何分間攻められても大丈夫だと感じた。この天候の中、勝ち点5を取ったのは成長の証し」と振り返った。

 だが、同じく午後1時開始で、サントリーが神戸製鋼に勝利。悲願のリーグ初優勝に届かず、2季ぶりに2位が決まった。ただ、2季前はリーグ戦残り3試合で、負ければプレーオフ進出が消える状況からの連勝で、つかんだ2位だった。一方で今季は、チーム新の開幕12連勝を飾り、黒星はサントリー戦だけだった。それを踏まえ、指揮官は「当時は100点満点の試合をしなければ勝てなかったけど、今は多少のミスをして、80点くらいでもしっかりと勝てるチームになった」と話し、フランカー三村勇飛丸主将(27)も「徹底的にFW勝負でいくしかなかったのが、今はいろんな攻撃オプションを出せるようになった」と胸を張る。

 清宮監督は「サントリーに負けた時点で切り替えている」と言い、チームは一丸で日本選手権に臨む。目指すは2年ぶりの優勝だ。「足りない部分を修正して、決勝でサントリーにリベンジしたい」。さあ、これからが本番だ。【大野祥一】