3連覇を狙った世界2位のノバク・ジョコビッチ(29=セルビア)が2回戦で敗れる波乱があった。アジア枠の主催者推薦大会を勝ち上がり本戦入りした同117位のイストミン(ウズベキスタン)に6-7、7-5、6-2、6-7、4-6で敗退。ジョコビッチが4大大会の3回戦に進めなかったのは08年ウィンブルドン以来となった。

 昨年前半まで、絶対的な強さを誇ったジョコビッチがおかしい。鉄壁の守備を誇る元世界1位が、相手より11本も多い72本の凡ミスを犯し、イストミンに敗れた。「うまくいかない時もある。でも、相手が本当にいいプレーをした」。合計得点では7点上回りながら、勝敗では敗れた。

 昨年の全仏で悲願の初優勝。生涯4大大会全制覇を達成し、続くウィンブルドンでは「気持ちが抜けてしまった。意欲がわいてこなかった」と3回戦で敗退。全米でも決勝で敗れ、昨年後半はマリーが5大会連続優勝という驚異的な追い上げを見せ、同1位の座を譲った。

 しかし、全仏後の燃え尽きについては「まだ今年は始まったばかり。それが影響しているとは思えない」と否定。2位の座は安泰とはいえ、1位のマリーとの差は開くばかり。「とにかく、この敗戦を乗り越えないと」と、元王者は自らを奮い立たせていた。【吉松忠弘】

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