Bリーグ1部(B1)東地区5位の仙台89ERS熊谷宜之(31)が、思い出の地に立つ。明日21日からアウェーで中地区4位のSR渋谷と2連戦。会場の青山学院記念館は、熊谷が青学大時代の4年間、練習を積んで成長した場所。「2つ取って自信につなげたい」と、原点のコートで連勝を狙う。19日は仙台市内で全体練習を行った。

 SR渋谷がホームアリーナを青山学院記念館にした際には「びっくりした」と言う。「厳しい思い出しかない」と懐かしむ場所は、1日約2時間のバスケットの練習以外に、コート2往復半を20回走り切るメニューがあった。ウエートトレは1時間半近く課せられた。技術や体力面を鍛え続けた4年間が、プロ9年目の熊谷にとって、今でも1つの支えになっている。

 大学卒業後に「何回か」(熊谷)青山学院記念館でプレーしたが、今季仙台に移籍してからは初めて。「不思議な気分ですけど、試合に集中したい」と言った。8勝22敗と苦しむ中、守備の共通理解や連係面など「チームはいい方向に向いている」と悲観はしていない。60試合あるレギュラーシーズンの残りは、ちょうど半分の30試合。反撃の後半戦がスタートする。【久野朗】

 ◆青山学院記念館 東京都渋谷区の青学大キャンパス内にある体育館。東京五輪が開催された1964年(昭39)に開館。同大学の入学式や卒業式が行われるほか、過去にはサザンオールスターズら有名アーティストが学園祭のコンサートとして使用した。Bリーグのチームが大学の施設を本拠とするのは初。収容人員は、B1の基準を満たす5000人。最寄り駅は東京メトロ銀座線、千代田線、半蔵門線の表参道駅で徒歩5分。