女子のエース高梨沙羅(20=クラレ)が、2回合計208・3点で5位に終わった。2戦連続で表彰台を逃すのは12~13年シーズン以来、4季ぶり。1回目に85メートルで10位。2回目は95メートルを飛んだが、表彰台には届かなかった。W杯通算で節目の50勝はまたも持ち越しとなった。日本4連戦の前半戦の個人第7、8戦の札幌大会は2、4位と足踏みし改善を図ったが、間に合わなかった。

 高梨は5位に終わり4季ぶりに2戦連続で表彰台を逃した。日本4連戦前までにW杯で49勝を積み上げた。しかし、14、15日の札幌で2、4位に甘んじると、W杯初勝利を挙げた特別な場所に移っても、自分を取り戻せなかった。「1回目はタイミングが遅れた。どんな条件でもやるべきことをやれる選手が強い選手」と素直に負けを認めた。

 降雪と不規則な風が吹く悪条件。前の伊藤の番からジャンプに不利な追い風に変わった。1回目に女王が力強く飛び上がっても、強い風が背中をたたき85メートルで落下し、10位と出遅れた。

 その時点で1位とは飛距離換算で7・1メートル差。2回目は女王らしく最長不倒となる95メートルを飛んだが、1回目の差が大きく響いた。「不利な風は誰にでもある。2回目にタイミングを修正できたことは次につながる」と言い訳はしなかった。

 札幌大会後、助走路の姿勢で重心が後方にあることをコーチらに指摘され、16日の蔵王入り後、重点的に練習した。19日の練習では103メートルを飛ぶなど復調気配も示していたものの、修正しきれなかった。

 W杯の日本開催で表彰台の真ん中に立てなかったのは、過去5シーズンで1度もない。「50勝は日本で挙げたい」。今日21日の日本4連戦の最終戦で、女王はプライドを懸けて戦う。【松末守司】