主将の復調を感じる敗戦だった。仙台89ERSが第4クオーター(Q)に引き離され、敗戦。第3Qまで一進一退の攻防を繰り広げたが、17年初の連勝はならなかった。

 志村雄彦主将(33)の守備の意識がチームを変えつつある。相手に激しく重圧をかけ、ミスを誘う。間橋健生ヘッドコーチ(45)が「小さいのを武器に、床をはいつくばるようなディフェンスをする」と評価するように、この日も粘り強く体を張り続けた。第4Q残り1分を切り、12点と点差が開き大勢が決した状態でも、自らのマークする相手を声を張り上げて仲間に伝達。「あきらめるのは簡単だけど、逆転のチャンスがないわけじゃない」と40分間戦い続ける姿を見せた。

 変化はプレータイムの長さにも表れる。この2連戦ではスターティングメンバーとなっていた石川海斗よりも長い51分9秒に出場(石川は28分51秒)。間橋ヘッドコーチは「オフェンスをコントロールする力をここ数試合で発揮してくれている」と評価。前日21日も追い上げられた終盤に何回攻撃できるかと試合をコントロール。PGとして、冷静に周囲を見回し、試合を落ち着かせて勝利に導いた。志村は「海斗になくて自分にあるのは経験値。ゲームをリードして、勝ちに近づけるようにうまくいけば」と判断が光る。

 「コンディションが良くなってきている」と復調はチームの上昇気流と重なる。間橋ヘッドコーチは「目指すディフェンスはできてきている。ディフェンス、ディフェンスだったのがディフェンス&リバウンドに来た」と次のステップに進んだと説明。志村の献身性がチームの守備意識向上につながっている。