プレーバック日刊スポーツ! 過去の2月12日付紙面を振り返ります。2016年の24面(東京版)は、錦織vs西岡あるぞ!日本男子初の準決勝対決でした。

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<男子テニス:メンフィス・オープン>◇2016年2月10日(日本時間同11日)◇米テネシー州メンフィス◇シングルス2回戦

 日本男子初の準決勝対決へ! 世界7位の錦織圭(26=日清食品)が、大会4連覇に向け、好発進した。昨年の2回戦でフルセットと競った同124位のハリソン(米国)に6-2、7-5とストレート勝ち。予選勝者で同130位の西岡良仁(20=ヨネックス)も勝ち、ともに8強入りを果たした。70年に現行ツアー制度が始まって以来、日本男子が同一大会で2人8強入りするのは4度目。現地時間12日に予定される準々決勝でともに勝てば、男子の準決勝では初の日本人対決が実現する。

 4連覇に向け、錦織がストレートで発進した。13年の1回戦から大会負けなしの14連勝だ。ただ13、14年ともに初戦はストレート勝ちだが競り、昨年はフルセットでの辛勝とてこずった。それが今年は会心の勝利に「この大会でこんなにいいスタートを切れたことはなかった」と喜んだ。

 武器のストロークがさえた。今年から表面が塗り替えられ、球足が遅くなったコートも味方した。球足が速かった昨年までは強烈なサーブを打つ選手に苦しめられたが「遅いコートでは自分のテニスができる」。得意のラリー戦に持ち込みやすくなり相手を振り回した。第1セット第2ゲームから5ゲーム連取。第2セット第10ゲームでもたついたが、最後は振り切った。

 3年連続で、シーズンの初優勝が今大会だった。14年から大会の格付けが、ツアーで最も低い「250」に下がり、今年は欠場も考えた。トップ20からの参加が錦織1人だけ。しかし、どのレベルでもシーズンの初優勝は重みがある。まして4連覇となれば、68年オープン化(プロ解禁)以降、同一大会では7人目の快挙となる。

 次戦は、過去5戦全勝と相性抜群の93位ククシュキンが相手だ。IMGアカデミーの後輩で、先週もともに練習をした西岡も、予選から4連勝で8強入り。ともに勝てば、男子ツアー初となる準決勝での日本人対決が実現する。「刺激になる」と若手の成長に意欲を駆り立てられた。

 錦織にとって、日本人対決は苦い思い出が多い。準々決勝以上で、過去たった1度の日本人対決となった12年アトランタオープンでは、添田に敗れた。「やりにくい」と公言しているが、メンフィスの地では相手が誰であろうとも絶対に負けられない。

 ◆日本男子同一大会複数8強以上 70年に現行のツアー制度ができて以来、ツアー大会では過去、73年大阪オープン、12年チェンナイオープン、12年アトランタオープンの3回。そのうち、アトランタオープンの添田と錦織は準々決勝で対戦。添田が勝ちベスト4に。準々決勝以上での日本男子対決は、この1度限り。4強に同時に2人以上が進出したことはない。

※記録と表記は当時のもの