カヌーの“ハネタク”こと羽根田卓也(29=ミキハウス)が2日、パドルをストックに持ち替え、新潟・十日町でスキーのクロスカントリーに励んだ。氷点下1度の中、5キロのコースに挑戦。「心肺機能を高めるためです。クロスカントリーは振り子の作用で進むので、体の軸を維持しながらの体重移動が大事。バランス感覚も養われるので、カヌーにも通じるものがあります」と話した。

 カヌーの本場欧州ではカヌー選手は冬場にクロスカントリーを取り入れている。「クロスカントリーの実力とカヌーの実力は比例します。技術で動きをカバーしないと体力消耗が激しいスポーツですから」。羽根田のクロスカントリー歴は5年。欧州を参考に主にスロバキアで腕を磨いてきた。

 リオ五輪でカヌー競技としてはアジア人初となるメダル(銅メダル)を獲得し、多忙のため五輪後も日本に滞在してきた。「ひと冬を日本で過ごすのは久しぶりです。でも、こうしてクロスカントリーもできますし、冬場は日本も悪くないと感じました」。日本でじっくり心肺機能を高め、中旬からのオーストラリア合宿へ出発する。【井上真】