高梨沙羅(クラレ)が3連勝で、W杯通算勝利数を52勝に伸ばした。1回目89メートルで1位、2回目は最長不倒の92メートルを飛び、254・8点で今季8勝目。グレゴア・シュリーレンツァウアー(オーストリア)が持つW杯通算最多53勝に、あと1と迫った。伊藤有希(土屋ホーム)は1回目82・5メートル、2回目89・5メートルの237・6点で7位。勢藤優花(北海道メディカルスポーツ専門学校)は13位、岩渕香里(北野建設)は20位だった。

 昨季2戦2勝と相性の良い会場で、高梨が完全に調子を取り戻した。1回目に89メートルでトップに立つと、2回目も勢いは止まらなかった。直前にソチ五輪金メダルのフォクトが91メートルの大ジャンプでプレッシャーをかけるも動じない。追い風の中、ぐんぐん飛距離を伸ばし、ヒルサイズに2メートルと迫る92メートルと貫禄の飛躍で、逃げ切った。

 シュリーレンツァウアーのW杯最多53勝に王手をかけた。男子の記録と比べられると「土俵が違うので」と恐縮するが、継続して勝ち続けられるのは、それだけの技術と精神力を持ち合わせているからこそ。ぶれのない空中姿勢で完勝し、3戦続けて表彰台の中央に立った。