杜(もり)の都に侍外国人がやって来た。Bリーグ1部(B1)東地区、仙台89ERSの新外国人グレッグ・マンガーノ(27)が8日、仙台市内のチーム練習に合流した。髪を頭頂部で結い、ちょんまげに似たヘアスタイルで約2時間、汗を流した。前日7日の成田空港到着後はさけ茶漬けを食べるなど、初めてプレーする日本に早くも溶け込んだ。地区最下位の6位と低迷する仙台浮上の鍵を握り、次節17日のホーム滋賀戦でデビューする見込み。

 独特なヘアスタイルで初見参した。前日7日に来日して時差ぼけの影響もあり、マンガーノはまだ本調子ではない。それでも仙台合流初日に、大きなインパクトを残した。髪を結った頭頂部は、まるでちょんまげ。初めてプレーする日本にピッタリの侍スタイルだ。

 「昨年末からこの形に変えた。長い髪でやったことがないので」と説明し「侍の髪形は以前から知っていた。日本に来たことでマッチすれば」と自己PRした。白人の“ちょんまげ”は、日本人と同じように似合っている。

 かねて日本でのプレーを希望し、早くも食を堪能した。前日7日に成田空港到着後は、空港内でさけ茶漬けを平らげた。「すしも好きです。新しいものにトライすることが好き」と笑う。この日の朝食は、チームメートのチリジ・ネパウエ(27)に誘われてカツ丼を食べた。

 チームは9勝27敗の地区最下位と苦しむ。「シーズン中盤で難しい時期。自分のパフォーマンスで勝利に貢献できれば」と意気込んだ。208センチの長身を生かしたインサイドのプレーだけではなく、アウトサイドからシュートを決める器用さもある。体調アップ、周囲との連係向上などは、次節の17日滋賀戦まで時間があることも幸いする。

 米名門のエール大卒で、英語だけではなくスペイン語も話せる知的プレーヤー。間橋健生ヘッドコーチ(45)は「物覚えが早い。気の利く選手。得点も攻撃も守備もすべてに期待している」と熱い視線を注いだ。レギュラーシーズン残り24試合。日本を愛し、低迷する仙台を救う戦いが間もなく始まる。【久野朗】

 ◆グレッグ・マンガーノ 1989年10月28日、米国生まれ。エール大卒業後の12年、トルコのチームを皮切りに欧州の6チームを渡り歩く。今季はUAE(アラブ首長国連邦)のアル・ナスル・ドバイに所属し、チームの編成事情により1月に退団。ポジションはパワーフォワード、背番号44。208センチ、109キロ。