新ルールが適用された柔道のグランドスラム・パリ大会男子60キロ級で優勝した高藤直寿(23=パーク24)が14日、羽田空港に帰国し、20年東京五輪への自信をのぞかせた。

 新ルールは有効と合わせ技一本を廃止し、指導3つ目で反則負け、男子の試合時間を4分に短縮するなど大幅に変更した。同大会で高藤は得意としてきた変則の肩車などを“封印”して、小内刈りや背負い投げを軸にオール一本勝ちした。

 「思ったよりも外国人選手が積極的に出てくるため投げやすかった。以前よりも指導を取りにくる選手もいなく、ダイナミックな柔道になっている印象。新ルールは自分に合っているし、『投げて勝つ』という勝ち続けた時の柔道に戻りつつある。(東京五輪に向けて)まだまだいけるという手応えをつかんだ」

 勝因として、肉体改造や重量級選手との稽古の影響もあるという。

 パリでは本店があるルイ・ヴィトンにも訪れ、3月11日に第2子の女児を出産予定の妻志津香さんへプレゼントを購入した。「中身は秘密です。勝てて、妻もほっとしたようでした。次は僕が出産の身の回りの手伝いを頑張って、その次は(4月の)選抜体重別選手権で優勝を目指したい。子どもの名前は強くなっても困るので柔道とは関係ない、かわいらしい名前を予定しています」とにやけた。

 同大会は8月の世界選手権(ブダペスト)の選考の1つでもあり、高藤の他、男子66キロ級阿部一二三(19)や100キロ級飯田健太郎(18)らの若手も優勝するなど男女計7階級制覇を果たした。全日本柔道連盟の金野潤強化委員長は「若手2人の活躍は非常に喜ばしい。飯田は想像以上に力をつけており、逸材ということがはっきりした。(世界選手権に向けて)大きなアピールだったことは間違いない」と語った。