新潟アルビレックスBBは京都ハンナリーズに79-75で勝ち、連敗を3で止めた。チャンピオンシップ進出のワイルドカード(各地区3位以下の中で勝率上位2チーム)争いで2位に浮上した。48-59で迎えた第4クオーター(Q)に逆転に成功。69-71の残り51秒で、パワーフォワード(PF)クリント・チャップマン(27)が3点シュートを決めて、勝ち越した。

 右斜め45度から放ったPFチャップマンの3点シュートがリングに収まると同時に大歓声が起きた。2点ビハインドの第4Qの残り51秒。「前半、流れがあまり良くなかったので、後半はしっかり決めようと思った」。チャップマンの正確なショットが新潟に勝利を呼び込んだ。

 残り2分49秒でセンター(C)ダバンテ・ガードナー(25)が負傷退場するなど、追い詰められた展開。その中でチャップマンは第4Qだけで9得点。チームを勢いづけた。

 もう1人、チームを勇気づけたのが特別指定選手のPG森井健太(21=早大3年)だった。第1Qは12-27と15点のビハインド。重苦しい雰囲気の第2Q、残り6分23秒でPG五十嵐圭(36)に代わってコートに入ると、さっそく見せ場をつくった。残り5分24秒、左サイドからドリブルで切れ込んで、逆サイドのSG佐藤公威主将(32)にパス。佐藤公の3点シュートを引き出した。

 その後も素早いドリブルから試合をつくり、第2Qだけで4アシスト。この試合、合計6アシストをマークした。特別指定選手として、前節三河戦(4、5日)から出場。庄司和広監督(42)の自宅に泊まりながら練習に通うバスケ漬けの毎日。刺激を受けながらボールを追ってきた。大先輩の五十嵐が「いきなり出場した中で頑張っている」と認めた成長ぶりを、数字で見せた。

 「京都は組織的な守備がしっかりしている」と、庄司監督が警戒していた相手に競り勝った。三河戦で右足首を故障した佐藤公が17得点するなど復調ぶりをみせた。プラス要素がそろい、ワイルドカード争いは3位から2位に浮上。今日19日、連勝すれば1歩抜け出す。【斎藤慎一郎】