宇野昌磨(19=中京大)が公式大会で初めて、美しい4回転ループを決めた。出来栄えで2・43点の加点がつく完璧なジャンプ。もともと右脚の方が力があって跳びやすいループは、15年夏からずっと磨いてきた技だ。「最近は10本に1本跳べるかどうか」と精度が落ちていただけに「自分でもびっくりした」。フリップ、トーループもまとめ、初めて3種類4本の4回転を着氷した。

 大技を決めた分、得意な3回転半を2本とも失敗。「跳べるだろう、という気持ちの甘さから失敗した」と反省した。SPでは自身初の100点超えを達成し、「いつか戦えるように」と追い続けてきた羽生を初めて上まわった。

 フリーで自己ベストの288・05点を出したが、さらにミスの少なかったチェン、羽生には届かなかった。「ユヅくん、ネーサン選手のようにもっと安定した演技が出来るようになりたい」と新たな課題をみつけた。

 「スケート以外のことは考えていないぐらい」と話す19歳。1カ月後の世界選手権まで、伸びしろは計り知れない。