米国の17歳ネーサン・チェンがISU公認大会で史上初めて4回転ジャンプを5度降りる驚異的な演技を見せた。羽生の後の最終滑走で、ファンの熱気が冷めない中でも動じなかった。冒頭の4回転ルッツ-3回転トーループ、続く4回転フリップは軽々と成功。その後も4回転トーループ、4回転-2回転の連続トーループを着氷させた。「5本中3本は、きれいに跳べなかった」と反省しつつも「金メダルを取れてハッピー」と喜んだ。

 今回は4回転4度に抑えるプランもあったが、アルトゥニアン・コーチが「彼は戦士」と評するだけあり、大舞台で限界に挑んだ。3度目の直接対決で初めて羽生に勝利したが「ジャンプ、芸術性、スケートのすべてをトータルパッケージとして高めてくれた」と敬意の念は薄れない。「世界選手権ではもっといい滑りを見せたい」と初めての舞台でも頂点を狙う。