柔道のグランプリ大会(24~26日、ドイツ・デュッセルドルフ)に出場する、リオデジャネイロ五輪柔道男子100キロ超級銀メダリストの原沢久喜(24=日本中央競馬会)らが20日、成田空港から出国した。

 原沢は左目が出血した痛々しい姿で搭乗カウンターに登場。17日の稽古中、相手の手が左目に当たって出血したという。「痛くもないし視界も大丈夫。病院にも行っていません。気合が入りすぎたのかも。(五輪後、初の試合となることに)気持ちをしっかり持って勝つつもです」と闘志を燃やした。

 今大会は今夏の世界選手権(ブダペスト)代表選考会の1つ。昨年12月に国際柔道連盟(IJF)が発表した有効廃止や指導3つで反則負けなどの新ルールも適用される。新ルールはリオ五輪決勝での原沢と王者テディ・リネール(フランス)との“組まない柔道”がルール改正の理由の1つでもあった。これを受け、原沢は「今、試合を見返しても面白いとは思わない。新ルールで試合展開が良くなると思う。今大会で(リネールとの)再戦はかなわなかったけど、新たなスタートを切りたい」と前を向いた。

 新ルールに関しては「そんなに変わりはなく、積極的な柔道をすれば問題ない」とした。大会によって審判の指導を出すタイミングが異なり、判定にもばらつきがあるという。「審判を見極めて、技出しの早さを意識した早い柔道を心掛けたい」。

 男子100キロ級に出場するウルフ・アロン(20=東海大)は、グランドスラム・パリ大会の同階級で優勝した国士舘高3年の飯田健太郎(18)をライバル視した。「飯田が優勝したので、優勝しないと世界選手権はないと思っている。何が何でも勝つ。飯田が出てきて気持ちが引き締まっている」と意気込みを語った。