伊藤有希(土屋ホーム)が2大会連続で銀メダルを手にした。

 伊藤にとっては納得できる2大会連続銀メダルだった。1回目は97メートルで4位につけ、2回目は緩い向かい風を受け96・5メートルで順位を2つ上げた。前回大会は「悔しい銀」と話したが、今回は「2回ともにラハティにきて一番いいジャンプができた。目標の大会でメダルが取れてうれしい」と笑った。

 社会人になって4年目。チームの監督も務める葛西から、足を前後に開くテレマーク姿勢の重要性など細部にわたって説かれ、技術向上に努めた。全日本スキー連盟のコーチでもある父克彦氏は「正月に(故郷の)下川に帰ってくると一日中、5メートル級のジャンプ台でテレマークだけを練習していた」と話す。葛西流に自身の努力が加わり、世界の頂点にまた1歩、近づいた。

 高梨と2人で表彰台に立った。日本人の複数表彰台は99年ラムソー大会(オーストリア)以来9大会ぶり。来年の平昌五輪でのワンツーも視界にとらえた。