女子の2部に当たる日本リーグ覇者・七十七銀行(宮城)が、逆転で14年シーズン以来3年ぶりの1部昇格を果たした。

 1部に当たるS/Jリーグ最下位の岐阜トリッキーパンダースに、第1ダブルス(複)を取られて後がなくなったが、続くシングルスを来季内定選手の杉野文保(22)が「自分の見せ場ができた」と制し、1-1の五分に戻した。

 第2複は、日本リーグでそろって最高殊勲選手賞を獲得した牧野美咲(24)と木戸よし美(24)組が第1ゲームを先取される絶体絶命から、持ち味の粘りを発揮した。最終第3ゲームは9-14の劣勢から、つないでつないでラリーに持ち込んで相手のミスを誘うなど、見事にひっくり返した。殊勲の木戸は「試合が終わった時は信じられない気持ち。本当に勝ったのかなと思った」と興奮しながら話した。

 昨年4月から元中国代表で世界女王にもなった呉健秋コーチ(54=現姓荒木)が、チーム専属として指導。練習開始を1時間早め、午後2時からの5時間と量を増やした。選手の疲労が増す練習途中にゲーム形式を課し、勝負どころで1点を取り切る強さや、精神面も鍛えた。主将の大森舞(27)は「2部になって苦しいことが多かった」と、厳しい練習が実ったことを喜んだ。

 目標にしてきた日本最高峰のS/Jリーグの舞台に立つ。牧野は「S/Jリーグでも自信を持って戦えるように。少しずつ進化できれば」と意気込んだ。