複合団体で、エースの渡部暁斗、弟善斗(ともに北野建設)、永井秀昭(岐阜日野自動車)、渡部剛弘(ガリウム)で挑んだ日本は、4位に終わった。

 09年リベレツ大会(チェコ)の金メダル以来、4大会ぶりのメダルは近くて遠かった。得意の前半ジャンプ(ヒルサイズ=HS100メートル)で2位と好位置につけて迎えた後半距離は、トップのドイツから44秒差でフランスと同時にスタート。1走の永井が2・5キロ過ぎから追いついてきたノルウェー、オーストリアと作る第2集団で軽快に追走した。

 アクシデントが起こったのは3・6キロ付近。「団体ではしてはいけないミス」と永井は話したが、上りで転倒し、4番手まで下がった。その後は、ノルウェーには抜け出されたものの、2走渡部、3走渡部善が4番手を守り、オーストリアとの一騎打ちでアンカーの渡部暁に託した。

 2・5キロで後続が迫ってきたこともあり、渡部暁はオーストラリアの前に出たが、勝負どころの3・6キロ過ぎでスパートをかけられると徐々に離され、メダル圏内から脱落した。渡部暁は「相手は走力のある選手で僕の1段上のトップスピードがある。警戒はしていたが…」と悔しがった。

 課題が残った。ノルウェー、オーストリアとの後半距離の差は約20秒差だったが、1走で追いつかれたように、走力の差は歴然だった。前回大会も前半ジャンプで2位につけながら6位に敗れたように、ジャンプの貯金を生かせないでいる。銅メダルとの差は約3秒とはいえ、それ以上の差を見せつけられた格好だ。永井は「上とは差がまだあるが、届かないところではない」と前を向いたが、来年の平昌五輪でのお家芸復活の道は険しい。【松末守司】