平昌五輪がゴールではない-。スピードスケートの世界スプリント選手権で、日本女子初の総合優勝を飾った小平奈緒(30=相沢病院)が2月28日、開催地のカナダ・カルガリーから成田空港に帰国した。1年後の平昌五輪について「完成形では迎えられない。戦い続ける延長線上」と話し、22年北京大会も視野に入れていることを明かした。

 3歳で始めて以来、スケートは人生そのもの。「与えられるのでなく、自分がやりたいもの、学びたいものを選択してきている。自分の感覚としては20代半ばくらい」と笑顔で話した。大好きな競技と向き合い、極める。そんな日々が楽しいからこそ、30歳の実年齢より若いと実感している。

 女子長距離で5つの五輪金メダルを獲得した45歳のペヒシュタイン(ドイツ)は、先月の世界距離別女子5000メートルで銀メダルを獲得した。国内でも長野五輪銅メダルの岡崎朋美は42歳まで現役を続けた。「常にゴールが先と思ってないと、スキも生まれる」。年齢による限界を意識しない取り組みが、今季の圧倒的な強さにつながっている。

 10日開幕のW杯最終戦スタバンゲル大会に向け、5日にはノルウェーに出発する。今季出場13レースで全勝の500メートルでは2季ぶりの総合優勝がかかる。「しっかり締めくくりたい」と、スケート人生の通過点、平昌五輪を見据え言った。【田口潤】