東日本大震災で故郷を離れた中学生サーファーが、20年東京五輪に向けて大きな1歩を踏み出した。女性部門で中塩佳那(13=一宮中1年)が初優勝した。

 全国の小学生から大学院生までの男女学生80人が参加。プロ、アマチュア関係ないオープンワンクラスで中塩は大学生らを抑えて優勝した。「今年出る試合は全て優勝します!!」と力強く宣言した。決勝は4人で競い、上位2本の合計得点で順位を決めた。

 仙台市出身。サーフィン好きの父善幸さんやプロで活躍する兄裕貴の影響で5歳から波乗りを始めた。11年3月の東日本大震災で練習場所だった仙台新港の海岸は甚大な被害を受けた。「サーフィンを続けたい」。この強い思いで、父を残して12年1月に千葉県一宮町に移り住んだ。身長148センチの体で大きな波に果敢に挑む度胸とテクニックで、昨年は日本サーフィン連盟(NSA)の18歳以下女子の部でランキング1位になった。中塩は「東京五輪で波に乗って、仙台と一宮のみんなに一番良いメダルを見せたい」と目を輝かせた。NSA関係者も「将来が楽しみ」と急成長に期待を寄せた。

 男性部門では、上山キアヌ久里朱(クリス)が優勝した。