日本女子は06年トリノ五輪から続く出場3枠の確保が厳しくなった。SPで4大陸選手権女王の三原舞依(17=神戸ポートアイランドク)がジャンプミスし、59・59点とまさかの15位に沈んだ。樋口新葉(東京・日本橋女学館高)は9位、本郷理華(邦和スポーツランド)が12位。3枠取りには上位2人の順位合計が13以内が必要な中、SPを終えて21というピンチ。フリーは明日31日に行われる。

 恐れていたことが、現実となった。エース宮原の欠場で不安視されていた日本女子の「3枠」確保は厳しい状況となった。

 SPを終え、上位2人の順位を合わせ21。現在9位の樋口がフリーで約4点、12位の本郷が約7点をそれぞれひっくり返せば、6、7位の合計13でギリギリ3枠を得られるが、すぐ上にいるのはベテランのコストナー(イタリア)やワグナー(米国)ら強敵ばかり。樋口、本郷ともに自己ベストの演技が求められるが、今季はフリーで完璧な演技を出来ておらず、希望的観測は持ちづらい。日本スケート連盟フィギュア小林芳子強化部長は「真摯(しんし)に受け止めています。開き直るしかない。総力戦で順位をあげていく」と苦しい状況を吐露した。

 2月の4大陸選手権で優勝し、3人中最も勢いと安定感があった三原のミスは想定外だった。「ほとんど失敗したことのない」という最後の3回転ジャンプでまさかの転倒。終わった後は「今までにないぐらい緊張した」とぼうぜん。宿舎に帰るまで涙が止まらなかった。頼りたいエースは不在で、自身は初出場。重圧がかかり、本来の力が出せなかった。中野園子コーチは「今日はいつもと違い、ふわーっとしていた。(合計順位の)13(以内)が難しくなったので、申し訳ない」と神妙に振り返った。

 そもそも今季の合計点ベストは出場選手の中で、三原が5番手、樋口が9番手と足しても「14」と3枠確保は危うい状況だった。自己ベストを出さねば勝負にならない崖っぷちで、フリーでどれだけの演技ができるか。三原は失意の中でも「このままでは終われない」と必死に前を向いた。【高場泉穂】