来年の平昌五輪の出場枠をかけたフィギュアスケートの世界選手権(ヘルシンキ)で最大3枠を目指す日本女子は窮地に追い込まれた。

 29日の女子ショートプログラム(SP)で、樋口新葉(東京・日本橋女学館高)が9位に入ったのが最高。上位2人の順位合計は21となり、13以内で得られる3枠の確保は厳しくなった。31日(日本時間4月1日未明)のフリーの最終組には日本勢が1人もいない現状を、海外の記者はどう見ているのか聞いた。

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 フィギュア取材歴12年のスポーツ・イラストレイテッド中国版の胡金一記者(33)は「安定感のある三原さんの失敗は驚きでした。2枠になったら(出場枠をかけた)今年の全日本選手権は“地獄”になるでしょうね」と予測。さらに「国内の争いが激しいのはバンクーバーの前から変わりませんが、かつて浅田、安藤選手らが世界トップレベルで戦っていたのに対し、今は1ランク下のレベルで争っているように見えます」と指摘した。

 フランスのフリーの記者ベルロー氏(58)は「日本が弱くなったとは思わない」と言う。「樋口の演技は素晴らしかったが、まだ若い。日本には今回出られなかった宮原、浅田がいるじゃないか。来季は本田真凜らジュニアの選手がシニアに上がってくる。いま世界の中で、ロシアと日本が強いのは変わりません」と、宮原、浅田が出られなかったことを残念がりつつ、日本の選手層の厚さは依然として世界のトップレベルにあるとした。

 雑誌「インターナショナルフィギュアスケーティング」のスーザン記者は「今、日本は一時的なスランプ状態。この大会はひと休みして、ここからまた強くなるはず」と期待を込めて話していた。【高場泉穂】