3季ぶり2度目の優勝を狙う羽生結弦(22=ANA)は98・39点で5位だった。フリーは明日1日に行われる。

 ハイレベルな戦いの中、羽生が痛恨のミスを犯した。午前の練習で1度もきれいに跳べなかった冒頭の4回転ループは成功。だが続く4回転サルコーの着氷でバランスを崩した。とっさに2回転ジャンプをつけたが、その得点は認められなかった。

 それでも気持ちを切り替え、プリンス「レッツ・ゴー・クレイジー」の曲にのり、観客を魅了。会場中からの拍手で後押しされたが、それでも足りないとばかりに両耳に手をあて歓声を自らあおった。だが、1年かけ、楽しんで磨いてきたプログラムを完璧にこなせなかった悔しさが残った。「なぜ、こんなにも経験が生かされないんだろう。練習してきたことが出せなければ練習してきたとはいえない」と自分を責めた。

 オーサー・コーチからは「今季は、来季の五輪に向けた練習だ」と言われていた。昨季は12月のGPファイナルでピークを迎えSP、フリー、合計ともに歴代最高点を樹立したが、その後はふるわず。今季はそれを踏まえ、2連覇がかかる五輪に備え、2、3月にピークを持ってくる作戦を立てていた。プラン通り、徐々に調子を上げてきたが、大舞台で最高の演技は出来なかった。「金メダルをとりたいので、しっかり修正したい」。3季ぶりの頂点へ、一層心に火がついた。