リオデジャネイロ五輪男子90キロ級金メダルのベイカー茉秋にライバル出現!?

 男子90キロ級決勝で向翔一郎(21=日大)が加藤博剛を破り、「打倒ベイカー!!」を掲げた。

 表彰式後、向は「ベイカーさんに勝って(対戦)優勝したかったけど、対戦しなくて良かった。優勝したけど、今の時点では追いつていない」と、優勝者らしからぬ発言で笑いを誘った。リオ五輪後、初の実戦となったベイカーは1回戦で右肩を脱臼して棄権したため、対戦は実現しなかった。

 ただの“ビッグマウス”ではない。富山・高岡第一高2年の時、金鷲旗大会の団体戦に出場。優勝した東海大浦安高の大将がベイカーで「まぶしく見えた」という。それ以降、「打倒ベイカー!!」を掲げて、14、15年全日本ジュニア体重別選手権を連覇。昨年は全日本学生体重別選手権で初優勝し、講道館杯3位になるなど結果を残してきた。

 しかし、金メダリストとの実力差があることを認識し「ベイカーさんを倒せば、世界一になれると考えている。柔道は負けるけど、スタイルは負けない。流行の塩顔ですよ」と、芸人のようなマシンガントークが止まらない。

 全日本柔道連盟は大会後、強化委員会を開き、今夏の世界選手権の代表者を発表した。男子90キロ級について井上康生監督は「ベイカーを(第1候補に)考えているが、(けがの)診断結果を踏まえた上で決めたい」と説明。仮にベイカーが欠場となった場合、代表者見送りの可能性があることも示唆し、今大会優勝した向に関しては「厳しい」と話した。