06年トリノ冬季五輪金メダリストの荒川静香さん(35)が引退を表明した浅田真央(26=中京大)をねぎらった。11日、横浜市内で会見した。

 浅田とは05-06シーズンにシニアの舞台で戦った。トリノ五輪直前の当時、荒川さん自身も進退を悩んだ時期があったという。「出口の見えないようなトンネルにいた所を、スケートが好きという気持ちで世界を戦ってきた浅田選手の姿を見た。物事を楽しんで、正面から向き合うことは大事なんだなと思い起こさせてもらった」と振り返った。浅田は金メダルの影の功労者でもあった。

 浅田の引退は昨夜に知ったという。「さみしい気持ちになりました。一番フィギュアスケート界に影響を与えた選手。小さい頃から世界のトップに駆け上がり、戦い続ける。どんな時も頑張り続ける姿を見てきた。それを見てスケートを始めたスケーターも多かった。日常で頑張ろうと思った人もいると思う」と語った。今後については「アイスショーという世界もある。すばらしいスケートを見せてほしい。今後もスケートに関わって、普及に貢献してくれるんじゃないかな」と期待を寄せた。その一方で「我慢してきたこともたくさんある。競技者とは違った時間の使い方で、幸せなこともいっぱい感じて、また笑顔をたくさん届けて欲しい」と気遣った。