リオデジャネイロ五輪代表の池江璃花子(16=ルネサンス亀戸)が、女子で大会史上初の5冠を達成した。50メートル自由形を秘技ノーブレス(息継ぎなし)で泳いで24秒57で制し、約40分後の100メートルバタフライでは57秒39で優勝。02年の萩原智子、15年の渡部香生子の4冠を抜いた。5種目すべてで日本水連の選考基準を満たし、7月の世界選手権(ブダペスト)の代表となった。3年連続の世界舞台で初の表彰台を狙う。

 果敢に攻めた。池江はこの日、3本目の50メートル自由形決勝で秘技を解禁。どっと疲労に襲われるノーブレスで、優勝した。4本目は最も世界に近い100メートルバタフライ決勝。「メイン種目で標準記録が切れなかったら…」と緊張で泣きそうになりながらも5冠達成。ゴール後は「ホッとしたのが1番。自己ベストはなかったけど、タフなレースをこなしていい経験ができた」と笑った。

 出場5種目はすべて日本記録を持つ。ただ日本記録保持者が負けられない、というプレッシャーはあまり感じてない。「世界と勝負したい。欧州の大会の記録を見て刺激をもらってます」。レース中にイメージする相手は海外の強豪選手だ。

 志が高い。リオ五輪が終わった昨秋、村上コーチと話し合った。20年東京五輪に向け、今年の目標を世界選手権初表彰台に定めた。