フィギュアスケートソチ五輪代表の村上佳菜子(22)が23日、現役引退を発表した。

 この日、東京・国立代々木体育館で行われた世界国別対抗戦のエキシビションにゲスト出演し、白い衣装で最後の舞いを披露した。

 選んだのは「1番感謝の気持ちを込められる」という12-13シーズンのショートプログラム「プレイヤー・フォー・テイラー」。3連続ジャンプ、ダブルアクセルなどジャンプを美しく決め、しっとりと滑りきると、大きな拍手に包まれた。涙をこらえながら客席にあいさつし、笑顔で現役のリンクを去った。

 村上は、10年の世界ジュニア選手権で優勝。10-11年にシニアデビュー。10年グランプリファイナル、14年4大陸選手権優勝など成績を残した。14年ソチ五輪は12位。最後の試合となった昨年12月の全日本選手権は、SP12位と出遅れたが、フリーで完璧な演技をみせ、リンクで号泣していた。

 自身のスケート人生を「浮き沈みが激しかった」と振り返り、「周りの方が見捨てずに支えてくれて、頑張ることができた。五輪まで出させてもらい、本当に感謝しかない」としみじみと話した。今後はプロスケーターとして活動しながら、指導者を目指す。

 「先生のお手伝いをしながら、いずれは選手を五輪に連れていくコーチになりたい」と夢を語った。