2020年東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が競技種目を表すピクトグラムに、1964年(昭39)東京五輪のものを継承するコンセプトを検討していることが27日までに、分かった。五輪でのピクトグラムは64年東京大会で初めて全面導入された。以後の五輪では当たり前になり、国際的に広まった。発祥の地としてレガシーを受け継ぐ狙いがある。

 競技ピクトグラムとは五輪・パラリンピック競技種目を人型の絵文字で表す視覚記号。会場周辺の案内板や会場地図などに記載され、どんな国籍の人が見ても一目で分かるようにすることが目的。国際映像にも使われるため、全世界の人々が視認する「共通言語」の役割を果たす。

 アジアで初めて五輪が開催された64年大会。欧米諸国のみならず、アジア、アフリカなど、どんな言語の人でも一目で理解できる「共通言語」で訪日外国人をもてなそうと考えられたのがピクトグラムだった。以後、五輪では欠かせないものとして利用されてきた。

 現在、組織委は競技ピクトグラム開発の業務委託先を公募中で、5月2日に締め切り、6月1日に審査予定。募集概要によると五輪全競技種目約46種類×2バージョン、パラリンピック全競技約23種類×2バージョンを開発する。デザインの発表は18年8月の予定。

 64年大会時はモノクロが基本でシンプルな形だった。56年の時を超え、初代のデザインを継承しながら2020年バージョンが開発されれば、2度の東京大会をつなぐ意義あるものとなる。