一昨年に続く優勝を目指した原沢久喜(24=日本中央競馬会)は3回戦で敗退して「悔しい。何もできなかった」と肩を落とした。

 百瀬優(27=旭化成)に内股を崩され、そのまま寝技に持ち込まれて送り襟締めで惨敗。わずか38秒の悪夢を「試合中に意識を失ったのは初めて。寝技の防御が甘かった」と振り返った。

 昨年のリオデジャネイロ五輪100キロ超級で銀メダルを獲得したが、その後は調子が上がらない。半年ぶりの試合となった今年2月のグランプリ・デュッセルドルフ大会で2位になり、4月の体重別でも準決勝敗退。「落ちるところまで落ちた。切り替えて、0から頑張るしかない」と悲壮な表情で言った。

 優勝した王子谷剛志(24=旭化成)は高校時代からのライバル。3年後の東京五輪まで争いは続く。「最終的な目標は20年の東京。こんな調子だと投げ出したくなるけれど、最後まで頑張りたい」。昨年の実績が評価され、王子谷とともに世界選手権代表入り。「五輪を経験して1回り成長したつもりだったが、何も結果を残せていない。頑張るしかない」。再び頂点に立つために、原沢は自らに気合を入れるように言った。