日本代表のエースで中大の石川祐希主将(21)が実力の片りんを見せつけた。

 2大会ぶりの参加で大車輪の活躍。ストレート負けを喫したが「3セット目はうまくいった。勝ちきれなかったけれど、チームとしてはいい試合ができた」と格上相手の戦いを振り返った。

 大学生ながら、1人だけ別格だった。2セットを奪われて迎えた第3セット。16-16の状況で、石川のサーブが相手コートに鋭く落ちた。会心の1本に、思わずほえた。中大はそこからたたみかけ、一時は19-16と3点リード。最後はパナソニックの強力なブロックに苦戦し逆転を許したが、大学生の健闘に大きな拍手が送られた。

 イタリア1部ラティーナで武者修行していた石川は、4月に帰国。その後、春季関東大学リーグ出場を経て、今大会に臨んでいる。腰には痛みを抱えており「いいか悪いかで言えば、悪い」。それでも「企業さんを倒すことを目標にやっている。試合になれば、痛いとは言っていられない」と強い責任感をにじませた。

 大会2日目となる3日はサントリーと対戦する。相手には日本代表を引っ張る柳田将洋(24)が在籍。ファンにとっては大学、企業のカテゴリーを超えた楽しみなカードが実現する。「サントリーは強い相手。企業を倒す目標のために戦いたい。(中大の)他の選手にとって、企業と戦うとなれば(気持ちが)引き気味になる。でも、自分たちの大学でやっているバレーを普通にやれば、意外といけるものだと思います」。この日の第3セットは23-25。チームとしての手応えを、次にぶつける。