2020年東京五輪・パラリンピックで選手や観客の輸送問題を巡り、政府や組織委員会が大会中の交通量を抑制するため、専門家によるチームの設置を検討していることが12日、関係者への取材で分かった。

 五輪の開会式が行われる7月24日は特に東京都内の道路の混雑が懸念され、交通量の予測データなどに基づいて対応策を練る。

 組織委は18日に関係省庁や東京都、民間事業者を集めた輸送連絡調整会議を開く。第1版の輸送運営計画を公表し、高速道路を中心に空港や選手村から競技会場を円滑に結ぶ「五輪ルートネットワーク」を新たに設定する方針。大会関係車両のみが通行できる「五輪専用レーン」は限定的な運用となる見通しで、選手らを会場に運ぶ「大会ルート」や練習会場に向かう「練習ルート」のほか、事故や渋滞で大会ルートが使用できない場合の「代替ルート」も設ける計画だ。

 都や組織委は期間中に首都圏の主要道路や鉄道の交通を一体管理する「輸送センター」の設置を決めており、具体的な対策に入る。大会時に主要道路となるはずだった環状2号線は築地市場の移転延期で全線開通が見通せず、組織委の森喜朗会長は「大会成功へ輸送が最大の鍵」と話している。