東北の2チームが崖っぷちに立たされた。B1全体最下位18位の東地区仙台89ERSは、アウェーで全体15位の中地区富山グラウジーズに79-87と敗れた。全体16位の東地区秋田ノーザンハピネッツはホームで、全体17位の中地区横浜に75-78と競り負けた。今日14日の第2戦を落とせば、B2に降格する。両チームとも第2戦を取り、その後に行われる5分前後半の第3戦に連勝するしか、2回戦進出の道はなくなった。

 ついに後がなくなった。第3クオーター(Q)開始直後に最大12点差をつけられた仙台は、第4Qも点差を詰められなかった。50点台に抑えることを狙った守備は、第3Qには早々と61失点を喫した。

 片岡大晴(31)が今季最多の24得点と気を吐いた。だが、第2Qまでの外国人の不調が大きな誤算になった。ウェンデル・ホワイト(32)ら、得点源の3人合わせてわずか3得点。富山の外国人3人が第2Qまでに計22得点したのとは対照的。間橋健生ヘッドコーチ(HC、46)は「日本人選手が頑張った。明日はうちの外国籍選手が頑張って欲しい」と、負けが許されない一戦へ奮起を求めた。

 ボールを動かしながらの目立った得点は収穫だった。栃木、A東京、千葉の東地区3強と22試合を戦い、高さや速さのあるチームに対してどう得点するのか、敗戦から学んだ点は生きた。司令塔の石川海斗(26)は「ボールムーブの中で得点できたのはいいこと」と手応えを口にする。これに持ち味の激しい守備を取り戻せば、勝機は見いだせる。

 2回戦進出には今日14日の第2戦、第3戦に連勝するしかなくなった。間橋HCは「全員が最高のパフォーマンスを出せれば勝てる」と前を向いた。主将の志村雄彦(34)が第4Q終盤に相手選手と接触し、左のこめかみ付近を切り病院へ直行した。第2戦の出場は微妙。アクシデントをはねのけてでも、B2降格阻止に全力を尽くす。【久野朗】