世界のテニス界は、ここ数年、八百長や賭博の取り締まりに力を入れている。16年1月の全豪期間中には、当時世界1位のジョコビッチ(セルビア)が「以前、チームのスタッフが八百長を持ちかけられた」と明かした。ジョコビッチ自身は直接の関与を否定している。

 三橋は、14年12月のトルコのツアー下部大会を最後に試合には出場していない。15年を最後に日本テニス協会のプロ登録を外れ、現役としては活動しておらず、最近はベトナムなどでビジネスを手がけていたという。しかし、かつて錦織世代のトップジュニアであり、全日本でもベスト4になるなど、日本男子の有力選手だった。テニス界で不正に手を染めていたとすれば、日本テニス界にとって世界での大きな恥となる。

 ◆三橋淳(みつはし・じゅん)1989年(平元)6月1日、川崎市生まれ。6歳でテニスを始め、04年全国中学生選手権優勝。05年16歳以下男子国別対抗戦ジュニア・デビス杯では錦織とともに日本を世界5位に導いた。07年プロ転向。09年全日本選手権シングルス・ベスト4。自己最高世界ランクは09年6月の295位。

 ◆TIU(テニス・インテグリティー・ユニット) 2008年に他の競技に先駆けて、テニス界が設立したテニス不正監視団体。国際テニス連盟、ツアーを運営するATP(男子プロテニス協会)、WTA(女子テニス協会)、4大大会との連携を図るが、基本的には独立した機関。テニス界の八百長や、賭博などを世界的に監視する。本部はロンドン。