違法カジノ店での賭博行為で無期限の試合出場停止処分から復帰したバドミントン男子の桃田賢斗(22=NTT東日本)は準々決勝で古賀穂(早大)と対戦し、21-19、21-7の2-0で3連勝を決め、30日の準決勝に進んだ。

 復帰後、初のピンチがあった。福島・富岡高時代の2学年後輩の古賀戦。前日28日は日本ランキング1位の坂井一将(日本ユニシス)を破って勢いに乗っている。第1ゲームは開始から0-3とリードを奪われた。中盤まで劣勢な展開が続く。

 「負けを覚悟するくらい強かった」。それでも9-11から、3連続得点で逆転すると「行くしかない」と一段階ギアを上げる。強烈なスマッシュをさく裂させ、ペースを取り戻し、21-19と競り勝った。相手のリズムをつかめば、もう止まらない。第2ゲームは21-7と、高校の後輩を圧倒し、復帰から3連勝を決めた。

 この日は今大会初めて「よしっ」と気合の雄たけびが出た。「取らないといけない、ここぞの1点。要所がわかってきた。そこで点が取れて、自然と出た」と、試合勘、闘争本能も取り戻しつつある。敗れた古賀は「1本決めても、対応された。ミスも少ない。スマッシュはコース、角度、速さと3拍子そろっている」と変わらぬ強さに脱帽するしかなかった。