大橋悠依(21=東洋大)が2分07秒91の日本新記録で、日本競泳陣初となる銀メダルを獲得した。

 初めての世界大会、しかも決勝で自己ベストを2秒以上更新した。驚異的なラップを刻んで、涙の銀メダルを獲得した。

 大橋の自己ベストは、今年4月の日本選手権決勝で2分9秒96だった。50メートルごとのタイムを比べてみる。

 <1>バタフライ 28秒28→27秒67

 <2>背泳ぎ 1分1秒48→1分0秒29

 <3>平泳ぎ 1分39秒65→1分37秒63

 <4>自由形 2分9秒96→2分7秒91

 大橋は「自分でもびっくりしています」と話したが、最初のバタフライからいきなり0秒6近く速くなっている。平泳ぎが苦手で、背泳ぎが得意だが、その2泳法でもタイムを上げている。150メートルを終えて、自己ベストを2秒02上回るハイペースで泳いでいるが、最後の自由形では優勝した開催国のヒロインで「鉄の女」の異名を持つ、ホッスー(ハンガリー)よりも速いペースで泳いでいる。

 大橋を指導する名伯楽・平井ヘッドコーチも「メダルはこっそり狙っていた。記録は予想以上でした。2分8秒は出るとはいっていたが(7秒台)。あれが大橋悠依。あんな力があるんですよ」と口にした。

 東洋大4年生の21歳は、今大会が世界大会の初代表。美女スイマーは、欅坂46のデビュー曲「サイレントマジョリティー」のダンスがお得意。平泳ぎで同じく初代表入りした1歳年上の青木玲から「マジョリーナ」というあだ名をつけられている。今大会の宿舎は青木玲との2人部屋で「たまに踊っています」とにっこりと笑っていた。

 本職は大会最終日の30日に行われる400メートル個人メドレーだ。銀メダルを獲得した200メートル個人メドレーは今季世界ランク5位だった。一方の本職は今季世界ランクで堂々の1位だ。美女スイマーに、複数メダルの期待が高まる。