【ブダペスト=益田一弘】池江璃花子(17=ルネサンス亀戸)が、世界大会で初めてのメダルを逃した。女子100メートルバタフライ決勝は57秒08で6位にとどまった。昨夏のリオ五輪では、わずか0秒23差で表彰台を逃した。1年後のリベンジを期したが、準決勝のタイムを下回るなど、3位以内は遠かった。今季世界ランク2位につける28日からの50メートルバタフライで表彰台に再挑戦する。

 涙が止まらない。泳いだ感覚は悪くなかった。レース途中からは「メダルを取りたい」と考えながら腕をかいたが、終盤は思った以上に伸びない。準決勝よりタイムを0秒19落とした57秒08の6位。自身の日本記録にも0秒22及ばなかった。「メダルを狙って、自己ベストも出なくて、悔しい」と両手で顔を覆った。

 今年2月に50メートル自由形で日本記録24秒48を出してから5カ月、新記録なし。村上コーチに「記録が出なくなることもあるよ」となだめられても「出したい」という負けず嫌いな性格。年明けから左肩、足首に痛みがあり、6月の欧州合宿では体調も崩した。現地入り前には「練習が足りてない気がする」ともこぼした。

 リオ五輪ではわずか0秒23差で表彰台を逃した。9月の国体後、所属先の個室で村上コーチと2人きりで話し合い、大目標を確認。「毎年0秒4ずつ自己記録(56秒86)を更新すれば、1番(世界記録55秒48)まで手が届く」と村上コーチ。東京五輪で金メダル、そのために今大会で表彰台に立つ-。得意種目では、56秒37で銅メダルのウォレル(米国)まで0秒71差と五輪より差を広げたが、今季世界ランク2位の50メートルバタフライでも表彰台に再挑戦する。