フィギュアスケート女子で今季からジュニアに参戦する岩野桃亜(もあ、13=兵庫・芦屋学園中)が25日、4回転ジャンプを練習中であることを明かした。愛知・豊田市の中京大アイスアリーナで行われた全日本ジュニア強化合宿の公開練習に参加。「4回転サルコーを中心に、トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)、4回転フリップもやっています」と明るい表情で練習の状況を説明した。

 22年北京五輪を目指す世代のニューフェースだ。昨年はジュニアの下のカテゴリーとなる全日本ノービス選手権(ノービスA)で2位。連続3回転ジャンプなどを武器とし「女子も確実に4回転の時代が来る」と2~3年前から4回転ジャンプを練習してきた。現在、4回転サルコーは「回転不足だけれど、手応えはある。あともうひと踏ん張り」と自己評価する。

 国際スケート連盟公認大会で、女子が4回転ジャンプに成功したのは安藤美姫のみ。一方で大技の練習は成長期の体への負荷も大きく、コーチと相談の上で「1日3本」と決めているという。

 現在の岩野の身長は159・4センチ。最近1年で約7センチ伸びており、昨秋は2週間の間に2センチも成長したという。「全然跳べなくなった時期もあったけれど、また戻ってきて、今がある感じです」。今季のフリーは昨季のショートプログラムで使用した「リトル・プリンス(星の王子さま)」で、慣れ親しんだ音楽に合わせながら「4回転をシーズン中に入れていきたい」と意気込む。

 本田真凜(15=大阪・関大高)坂本花織(17=神戸FSC)白岩優奈(15=関大KFSC)がシニアに上がった今季だが、ジュニアにも3回転半ジャンパー紀平梨花(15=関大KFSC)ら実力者がそろう。その中において13歳の岩野は「『ジュニアといえば桃亜ちゃん』と言われるようなシーズンにしたい」と意欲満々。新たな風を吹き込む存在に注目だ。