シンクロナイズドスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチ(HC、66)が26日、3年後の東京五輪へ、抜本的な改革に乗り出す考えを明かした。五輪メダル争いのウクライナに1勝3敗でメダル1個のみに終わった世界選手権から成田空港に帰国。「リオ五輪のメダルで、日本シンクロ界は満足しきってしまった。このままでは世界に通用しない」と危機感をあらわにした。

 昨年リオ五輪でデュエット、チームともに復活の銅メダルを獲得。東京五輪で、金のロシア、銀の中国の一角を崩すため、井村HCはリオ五輪直後から「大型化」の必要性を訴えた。だが、日本水泳連盟のシンクロ委員会には聞き入れられず、今大会の11人の代表のうち、165センチ以上は5人のみと、不満の残るメンバー構成になってしまった。

 世界は170センチ以上が当たり前の大型化が進む。井村HCは厳しいと感じながら今大会に臨んだが「最悪の結果になった」と、五輪採用4種目でメダルはチームTRの銅のみに終わった。

 シンクロ競技終了後は、本間三和子シンクロ委員長と話し合い、大型化にかじを切ることで、意見は一致したという。「世界のシンクロは変わった。(リフトの)ジャンパーなど特殊技能のある選手以外で165センチ以下の選手は厳しい」と井村HC。今後は早急に大型選手をメンバー選考し、8月からは合宿を再開する予定だ。