柔道の世界選手権(ブダペスト)男子73キロ級金メダルの橋本壮市(26=パーク24)が21日、同選手権決勝でガッツポーズを繰り返した理由を明かした。

 神奈川県平塚市の母校、東海大で行われた柔道部の報告会に出席。世界選手権決勝ではリオデジャネイロ五輪銀メダルのルスタム・オルジョイ(アゼルバイジャン)と対戦した。序盤から劣勢で延長戦に入り、体落としを入れると相手が肩から落ちた。主審が技ありを宣告した瞬間、橋本は「よっしゃあ」と叫んでガッツポーズを繰り返した。その後、微妙な判定として映像確認した後、正式に優勝が決まった。

 神妙な面持ちで「あのガッツポーズには理由があったんです」と切り出した世界王者は「実は、微妙な判定だったから覆らないように大声を出したんです。金メダルが取り切れたのは、そこもしっかりと考えていたんです。それぐらい金と銀は重みが違う」と力説した。

 世界一になったことで柔道専門誌「近代柔道10月号」の表紙を飾った。優勝が決まり、柔道着を広げて叫んでいる際の写真が使用されている。それを見て「ただの野獣ですね…。(トレンディエンジェル斉藤司の持ち芸)『斉藤さんだぞ』ではなく『橋本さんだぞ』になってますね」と自虐ギャグを織り交ぜ、「同じ金メダルでも阿部(一二三)や高藤(直寿)の方が派手に勝ったのに、このタイミングで僕を選んでもらえたのはうれしい。近代柔道さんに感謝感謝です。部屋に飾ります」と喜びを隠せない様子で語った。