世界選手権女子シングルス金メダルの奥原希望(22=日本ユニシス)が涙の棄権で、2年ぶりの優勝の可能性を消滅させた。

 右膝負傷で、準決勝のリオ五輪金メダルのカロリナ・マリン(スペイン)戦を棄権。棄権のアナウンスが流れると、ほぼ満員に埋まった場内から大きなため息が出た。

 会見では「ホームゲームのコートに立ちたいとの気持ちが強かった。気持ちは戦う準備ができていたが、体がだめだと訴えてきた」と悔し涙を流した。21日の2回戦で世界選手権で激闘を繰り広げたプサルラ(インド)に完勝したが、その夜から、3年前に手術した右膝に痛みが出た。懸命のケアで22日の準々決勝は世界ランク11位ベイウェン(米国)には勝ったが、試合後、また痛みが増したという。現在は患部は水がたまり、腫れている状況だという。

 五輪金のマリン対世界選手権金の奥原。金メダル同士の決戦は注目度が戦った。「(日本のファンに)生でプレーをお見せしたかった。すごく残念。楽しみにしてくださった方に申し訳ない」と謝罪した。会見後は、足を引きずりながら、沈痛な表情で、控室に姿を消した。