2日に開幕する男子テニスの楽天ジャパン・オープン(東京・有明コロシアムおよびテニスの森公園)は、今年で45周年を迎える。

 72年に第1回が開催され、今年が第46回。栄枯盛衰が激しい男子ツアーの中でも古参の大会のひとつだ。しかし、これだけ長続きした大会も、最初は生みの苦しみを味わった。

 世界のテニス界は、68年にプロ選手に門戸を開くオープン化となり、70年から現行のツアー制度が生まれた。それは、今では当たり前になった賞金付き大会を意味する。しかし、日本テニス協会は、当時、厳格なアマチュアリズムを掲げる日本体育協会(体協)の傘下にあった。

 世界のテニス界がプロ化にかじを切る中、アマにとどまっていては置いていかれるだけだ。しかし、プロ大会を開催すれば、体協から脱退せざるを得ない状況の中、テニス協会の粘り強い交渉が続いた。ようやく体協を納得させることができたのが72年だった。

 それまであった朝日国際招待という大会を発展解消させ、香港、フィリピンとともに手を組み、アジアサーキットを組んだ。その1大会として、第1回のジャパン・オープンが生まれた。会場は、今はなき田園コロシアム。73年からツアー大会として世界から認められた公式戦となり、会場は83年から現在の有明に移った。

 公式戦ではなかったが、第1回は、決勝で坂井利郎が九鬼潤を破り、地元開催の面目を保った。しかし、ツアー公式戦になった73年以来、日本男子には世界の高い壁が立ちはだかった。それを破り、念願の日本人初優勝を遂げたのが12年の錦織圭だった。

 シングルスの最多優勝は、87、89~91年と4度の優勝を誇る日本で大人気だった北欧の貴公子ことエドベリ(スウェーデン)。06年にはフェデラー(スイス)、10年にはナダル(スペイン)と、スーパースターの名が優勝者に並ぶ。今年、錦織は右手首のケガで出場できないが、46回の歴史を十分に有明で堪能できる。

【吉松忠弘】

 ◆WOWOW放送予定 10月2日(月)~8日(日)、WOWOWプライムおよびライブで連日生中継。