柔道男子日本代表の井上康生監督(39)が17日、今夏の世界選手権で初戦敗退するなど不調が続くリオ五輪男子100キロ超級銀メダルの原沢久喜(25=日本中央競馬会)の状態について「オーバートレーニングの一種」と明らかにした。

 世界ジュニア選手権(18~22日、ザグレブ)視察のため羽田空港を出発。井上監督や所属によると、原沢は世界選手権後、息が上がる症状が続いたため病院で精密検査を受け、医師から3~4週間の休養を勧められた。近日中に全日本柔道連盟に診断書は届く予定だが、検査の数値などから心身が慢性疲労に陥る「オーバートレーニング症候群」の可能性があるという。

 当初、原沢は11月の世界無差別級選手権(モロッコ)に派遣される予定だったが協議の上、辞退した。12月のグランドスラム東京大会や来年の欧州大会に向けて、数日前からトレーニングは再開し、この日も3キロのランニングと稽古を行ったという。井上監督は「休養してすぐに試合ができるわけではない。世界選手権敗戦のショックもあるだろうし、今はコンディションを整える時間が必要」と話した。

 ◆オーバートレーニング症候群 過剰なトレーニングにより疲労が蓄積し、免疫力低下や食欲不振、血圧上昇などの症状を引き起こす病気。肉体的、精神的ストレスが主な原因でトレーニング量の減少や長期休養が必要。サッカー元日本代表GK権田修一、FW大久保嘉人らも発症。