フィギュアスケート男子でソチ五輪金メダリストの羽生結弦(22=ANA)が18日、20日開幕するグランプリ(GP)シリーズ第1戦ロシア杯に向け、モスクワの会場で約40分間、非公式の練習を行った。

 練習の中盤、精力的に続けて跳んだのは、まだ試合で決めたことのない4回転ルッツ。2度バランスを崩し、3度は回転不足と1本も完璧には決まらなかったが、今大会での挑戦をにおわせた。

 ブライアン・オーサーコーチは、9月の段階でプログラムに組み込むことは「今季の計画にある」と明言している。ルッツは4回転の中で2番目に得点が高く、トップ選手で試合に組み込んでいるのは昨季4大陸選手権王者のネーサン・チェン(米国)、世界選手権銅の金博洋(中国)ら数えるのみ。もし羽生が成功すれば、使える4回転の種類は、トーループ、サルコー、ループに加え4つとなる。

 練習後、4回転ルッツに挑むのかの質問に羽生は笑みを浮かべて会場を去った。ANAスケート部の城田監督は「明日(19日)の練習を見てください」と含みを持たせた。