17年世界選手権銀メダルの宇野昌磨(19=トヨタ自動車)が93・92点と今季初めてSP100点超えを逃し、2位発進となった。首位は107・86点と好演技を披露したフェルナンデス(スペイン)で、その差は13・94点。

 宇野は演技後、しばらく頭上を見つめた。「辛かったです。とても悔しかった。体力面じゃなく、きつかった。跳べる気が全くしなかった」。冒頭の代名詞4回転フリップで転倒。この日の公式練習から苦戦してきたジャンプが「全く(跳べる感じが)なかった」と出遅れに大きく響いた。続く4回転-3回転の連続トーループは決めたが、それも「次のトーループを跳べたことが驚き」と振り返る出来だった。

 その中でも地力は示した。3つのスピンとステップは全て最高評価のレベル4。優勝した10月のGP第2戦スケートカナダ後はインフルエンザを発症と満足のいく調整ではなかったが、前日16日から影響を否定してきた。だからこそ「(失敗の原因は)よく分からないです。果たして(フリーまで)1日でやれるかは分からない。やらなければいけないんですが…」と悩める心境を明かした。

 ここまで史上最長となる5戦連続合計300点超えと安定感を見せてきた中で現れた新しい壁。「フリーではもう少し笑顔が出る演技をしたい」と自らにムチを入れた。