平昌五輪金メダル候補の小平奈緒(31=相沢病院)が女子500メートルを37秒07で制した。W杯通算15勝目。この種目では昨季からW杯12連勝を含む、国内外20連勝を飾った。低地リンクでの自己記録を更新し、2位に0秒78差をつける圧勝だった。

 20連勝。この日も、小平は当たり前のように表彰台の中央に立った。同走した五輪2連覇中で世界記録保持者の李相花(韓国)をスタートで突き放すと、その後もひと滑りごとにぐんぐん差を広げた。低地リンクでの自己ベスト。それでも「通過点の1つ」と平然と言い、「夏の練習の成果を発揮し切れていない。まだ伸ばせる感覚がある」とすぐに自身の中に改善点を求めた。

 冷静な女王が表情を緩めたのはレース30分後だった。男子500メートルで、練習パートナーの山中が2位に入った。今季は開幕前に山中ら男子選手との練習量を増やし、スタートを強化。正面から撮影した映像で、前を滑る男子選手に隠れるほどの低さを意識し、スピードを磨いてきた。10月の全日本距離別で山中が初Vを果たすと「自分たちの練習が正しいことが証明された」と自身の勝利以上に喜んでいただけに、世界での活躍が、大きな刺激になったことは間違いない。

 次の第3戦カナダ・カルガリー大会(12月1~3日)は記録の出やすい「高速リンク」が舞台。「ここで評価してしまったら(成長が)ストップしてしまいそうな気がする」と先を見据えた小平に、36秒75の自身の日本記録、李相花が持つ36秒36の世界記録更新の期待が高まる。