ジョセフジャパンの「モデル」が体現された。世界ランキング11位の日本が、同14位のトンガに39-6で大勝した。世界屈指の巨漢軍団にキックを絡めながら計5トライを奪い、課題だった防御もノートライに抑えた。攻守ともに圧倒したが、19年W杯の8強入りに向けてジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、47)は「50点だね」と辛口評価。25日には同8位のフランスと対戦する。

 トンガから6年ぶりに勝利した。先発15人の平均体重は約3・1キロ、身長も約3・7センチ上回るフィジカル(身体能力)の強い相手からプレッシャーを受けながらも、序盤からキックを活用した戦術で揺さぶった。前半3分のWTBレメキのトライを皮切りに計5トライを奪った。今秋から導入した防御ラインを素早く前進させる「高速ディフェンス」も機能し、ノートライに抑えた。攻守ともに代表が目指す形が表れた。

 ジョセフHCは「選手たちは誇らしいプレーをしてくれた。(先月の世界選抜戦、4日のオーストラリア戦で)タフな試合をして反省と修正したのが効果的だった」と手応えを口にした。

 BK陣が生きた背景にはFW陣の防御が大きい。予定より早い8日に現地入りしてから主に体力強化とタックル練習などに時間を割いた。欧州王者に4度輝いた地元の名門トゥールーザンとの合同練習も行い、「最重要課題」としていた防御への意識付けを高めた。

 しかし、試合終盤には疲労や判断力の低下からミスタックルや攻撃の好機からの得点を重ねることが出来ない場面もあった。フランカーのリーチ主将は「完璧ではなかった。W杯で勝つためにはここで満足してはいけないし、もっと(試合の)勝負どころをフォーカスしないといけない」。ジョセフHCも「(総合的に)50点だね」と評価した。25日には18日のテストマッチで強豪の南アフリカに1点差で敗れたフランスと対戦する。ジョセフジャパンにとって真価が問われる重要な一戦となる。【峯岸佑樹】