世界ランキング11位の日本が、同14位のトンガに39-6で大勝した。世界屈指の巨漢軍団にキックを絡めながら計5トライを奪い、課題だった防御もノートライに抑えた。攻守ともに圧倒したが、19年W杯の8強入りに向けてジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、47)は「50点だね」と辛口評価。25日には同8位のフランスと対戦する。

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 トンガは主力を欠いて若手主体。チームとして未完成で、守備など整備されていなかった。ポゼッション(ボール保持率)は日本が42%でトンガは58%。ボールは持たれていたが、もともと日本はポゼッションにこだわる戦い方ではない。敵陣で試合をする時間が長く、終始日本のペースの快勝だったといえる。

 22メートルライン突破は日本が7回で、8回のトンガより少ない。しかし、得点に結びつけたのは6回と効率は良かった。特に前半は4回突破で100%得点。逆にトンガはトライ直前のノックオンなどミスが目立ち、得点は1回だけだった。

 オーストラリア戦で課題だったラインアウトは修正され、モールへつなげる攻撃のオプションもさえた。SO田村のキックも良かった。早い守備でプレッシャーをかけ、ミスを誘った。そこから一気に攻めに転じる戦術が、チームに浸透してきた。ミスでボールを失ったのも9回と、19回のトンガを圧倒していた。

 ただ、フランスはトンガとは違う。この日もあった不用意なキックは、確実にピンチを招く。ピッチを幅広く使った攻めに対する守備も必要だ。フランスなど強豪と渡り合うためには、1つ1つのプレーの精度をさらに高める必要がある。(サントリー監督)