【トゥールーズ(フランス)21日=峯岸佑樹】ラグビー日本代表の“バズ”ことプロップ浅原拓真(30=東芝)が特別な思いを胸に抱き、25日のフランス代表戦に臨む。当地での試合に向けた代表合宿で、戦術の落とし込みなどを確認。18日のトンガ戦には出場できず「次こそはスクラムでチームの勝利に貢献したい」と感情を高ぶらせた。

 過去9敗のフランス戦にはある思いがある。5年前、歯科医に練習用マウスピースを作ってもらった。色は「適当で」と依頼したところ、なぜかフランス国旗のトリコロールカラーになった。違和感はあったが今では大のお気に入りだ。「試合ではさすがに装着出来ない。その分、試合前に(必勝祈願のために)かみまくりますよ」と打倒フランスを掲げた。

 FW最前列からの安定したスクラムと、体重113キロながら高校時代にはNO8を務めパスセンスにも定評がある。愛称は顔の輪郭がディズニーキャラクターの「バズ・ライトイヤー」に似ていることでバズ。15年W杯代表は落選したが、昨年11月に長女新奈(にな)ちゃんが誕生して19年W杯への気持ちが強まった。「年齢は中堅だけどモチベーションは若手以上。2年後は娘にグラウンドに立つ姿を見せてあげたい」と青写真を描く。

 ◆浅原拓真(あさはら・たくま)1987年(昭62)9月7日、山梨県甲府市生まれ。6歳でラグビーを始める。甲府工高時代まではNO8やCTBをこなし法大ではプロップ。13年4月に代表初キャップ。16、17年のサンウルブズメンバー。好きな言葉は人生意気に感ず。179センチ、113キロ。