リオデジャネイロ五輪重量挙げ女子48キロ級銅メダルの三宅宏実(32=いちご)が、同五輪以来1年3カ月ぶりの復帰戦を制した。スナッチ78キロ、ジャーク103キロのトータル181キロで優勝。持病の椎間板ヘルニアと向き合いながら、自身5度目の五輪となる20年東京大会へ向け、再スタートを切った。

 

 逆転銅メダルを決め、バーベルを抱きしめた、リオ五輪から1年3カ月。32歳の三宅が勝負の場に戻ってきた。「ドキドキした」と緊張の面持ちで臨んだスナッチは、3回目の79キロで床にわずかに尻がついて失敗。同門の後輩、佐渡山彩奈(いちご)に4キロ差をつけられ、「やるからには優勝したい」とスイッチが入った。ジャークの3回目では予定の101キロから逆転可能な103キロへと重量を上げ、逆転した。

 04年アテネから4度連続で五輪を経験し、ロンドンで銀、リオでは腰痛を乗り越えての銅と2大会連続でメダルを獲得。五輪の2カ月後にはもう「東京じゃなかったら、きっぱりやめていた。体を動かしたいという気持ちがまだ残っている」と、現役続行と東京五輪への挑戦を明言した。

 20年まで「いばらの道になる」と想像していた通り、五輪前から抱える椎間板ヘルニアは治らず、今も腰痛と闘う。練習時間は以前の6、7時間から1時間に減らし、量から質へと変化した。18日に32歳になり「30を過ぎると年齢を忘れる。忘れながら、マイペースにやりたい」。3年後に迎える自身5度目の五輪へ。「一番高いところを目指したい」と集大成の金メダルを目標に掲げた。【高場泉穂】